SLP, SIG-SLUD(後編)と修士論文公聴会
今更賞味期限切れな感じもするが、続き。
あとは
音声対話ロボットのための傾聴システムの開発
○下岡和也，徳久良子，吉村貴克，星野博之（豊田中央研究所），渡部生聖（トヨタ自動車株式会社）
が面白かった。どっちもSLUD。早稲田のはクイズ参与するロボットエージェントを実際に作ってみて、人とのインタラクションを調べるようなもので、中身でめちゃくちゃすごいことをやってるわけではないと思うけど、実際にロボットエージェントを作ってデータを取るということはそれはそれですごい労力なので、素晴らしいと思う。
やはり対話の研究は机上の空論だけではだめで、実物にせよ仮想的にせよエージェントを作って、それでデータを取って初めてまともな研究、というのは最近思う。僕も頑張ろう。
中研のは、人から発話を引き出すために、あいづちとか聞き返しとかの行動をロボットに行わせることで、人間が話しやすくするようにしましょう、という話。
夏のNL研でも聞き役ロボットの話をCS研の目黒さんが発表していたし、
"聞き役対話システムの構築を目的とした聞き役対話の分析",
目黒豊美, 東中竜一郎, 堂坂浩二, 南泰浩, 磯崎秀樹， 情報処理学会自然言語処理研究会（NL）, Vol.2009-NL-193 No.10, pp.1?6, 2009.
聞き役対話っていうのは結構面白い視点なのかもしれない。確かに対話システムなんてのは人間から情報を引き出せてナンボであって、人間がどう話しかけていいかわからない、というのはいくら応答が優秀なシステムであってもどうしようもない。
基本的に人間は自分のことを話したくて、気持ちよく話をさせてくれる相手を求めている。
僕はキャバクラなんかは、そういう人間の「話したい」という欲求から成り立っているものだと思うし（もちろん別の目的も大きいんだろうけど）、実際それなりにお金を取るところのキャバ嬢やホステスなんかは、相手に気持ちよく話をさせるということが実にうまい。水商売ということで世間から厳しい目で見られがちだけど、彼女らも会話のプロであるし、そういうところの客筋に合わせて経済のことをしっかり勉強したりしていて、なかなか馬鹿にしたものではないと思う。
事実友人にもキャバクラで働いている子がいたが、彼女も話してみると話をしやすい種類の人間だったし、それなりにニュースとかも頭に入れたりしていて、同世代では結構しっかりした部類の子だったと思う。
むしろ、コミュニケーションコミュニケーションと学生に連呼して、学生を社会に送り出す前にきちんとしたコミュ力を身につけさせようと躍起になっている京大なんかは、もっとそういうものを彼女らみたいなところから学んだ方がいい。
そういえばSFCでキャバ嬢の修論があったみたいだが、あれはキャバ嬢の会話テクニックとかではなく、顧客の分類分析みたいな感じだったようなので、今度は是非誰か「聞き役対話としてのキャバ嬢対話技術分析」とかで研究をしてもらいたいところ。SLUD的には全然ありだと思う。本人がキャバ嬢だったり、友達にそういう人がたくさんいたりしないとお金がかかって仕方ないからできないだろうけど。大体キャバクラみたいな酒が出るようなお店は経費で出ない。研究してる人自体がハマリそうな気もするし。
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昨日の時点でうちの先輩方は全部終わってしまったわけで、研究室自体にはもう修論は終わったもの、という空気が漂っている。今日、IMADEルームの話（西田研）があったので、余裕があったら聞きに行こうと思っていたのだが、朝起きたらその発表の時間は終わっていたでござる。でした。疲れてたんだな、たぶん。
自分のとこの先輩の発表以外にも、奥乃研の発表２つも聞いたが、id:mkatumaruさんの話はSLPでも聞いた話で、対話システムの音声認識や理解の枠組みを、蓄積した学習量によって選択するラピッドプロトタイピングという話。これはオンライン学習をするときに、最初に変な情報を蓄積してしまうと、後々にも悪い影響が残ってしまうので、最初を文法ベースでやるというのはいい話だと思う。
id:mzmttksさんの話は、テルミンを自動演奏するロボットの話で、こういう夢がある研究があるのは奥乃研の魅力だなあ、と思った。
人間の出す音に追従してテンポを変える、みたいなこともしていて、実際に追っかけられているのはすごいと思った。ただ、音響情報だけでテンポを追おうとするとどうしても遅れが出てしまうので、そこをどう視線情報とかで補うかが課題かな、と思った。難しいけど。
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panterさんのところから拾ってきた。
なんてこったい。
