SLP87で発表してきました

IPSJ-SIGSLP87で発表してきました。
内容としてはSIGDIALの発表にちょっと+αがある感じで。

個人的に面白かったのは2日目の

(SLP8) Speaker adaptation for dialogue act classification
○Johan Rohdin, Koichi Shinoda (Tokyo_Institute_of_Technology)

CRFでDialogue Actの分類をするとき、MAPで適応をかけると各個人固有の特徴量が使えるようになるので精度が改善しますよという話。確かに適応対象の個人のデータまで含めて学習した場合より、MAPで適応した方が良くなってるところがあった。ただ、データがあるんならその個人に適応したモデルを作るのがupper bounceではないかと思うので、そうは出来なかったのかなーと思う。学習にはデータが少ないのかもしれないけど。

あと、個人的にCRFはAdaptationには向いてないんじゃないかなー、とかボソっと思ったりもする←


あとは

(SLP16) PodDiarizer:ポッドキャスト音声認識・理解のためのユーザ訂正活用型音響ダイアライゼーションシステム
○佐々木 洋子, 緒方 淳, 後藤 真孝 (産総研)

がやっぱり面白かった。ここの人たちのインタフェースとデモにかける気合は見習いたい。

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ナイトセッションで恒例の「最近の若い人」に関する議論があった。
先生方は「若い人は業績とかにガチガチになって無難な論文をあくせく書くよりは、もっとチャレンジングな研究や活動をして欲しい」という意見らしい。
それに対して若い人代表として名大の西村さんが、「アカデミックのポストや雇用なんかがどんどん厳しくなっていく中で、そういう色々なことにチャレンジして失敗すると結局回りの人に業績で負けてしまって先に進めなくなってしまう。そう考えると業績に固執して論文を書くことに一生懸命になることになってしまう」というような意見を述べていた。

僕もこの意見には半分くらい賛成で、色々なものが業績ドリブンで動いている以上、今の業績至上主義はいい悪いは別にして、仕方のないことかなと思う。

それに対して東北大の伊藤先生(だったと思う)が「若い人が論文を書けないのは半分は指導教官の責任。最近はまともに指導教官のチェックを通ってないんじゃないかというような論文が沢山査読に回ってくる。みなさん論文を書けと言うだけじゃなくてちゃんと指導してますか?」というような意見を言っていた。

これに関してはうちの先生はきっちり指導をしてくれるし、本当にいい研究室に入ったなあ、と。以前にTwitterで研究室選びで人生が変わるとかそういう話を見かけたが、確かにその通りだと思う。そういう意味でも、これから受験をする人や配属される人は研究の興味だけでなく、色々なファクターを考慮して研究室を検討するのがいいんじゃないかなー、と思いました。

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ちなみに空港から会場までバス+会場に缶詰だったので、北海道成分はあまりない出張でしたw