毎日研究室に来ることが大切

京大情報学研究科の修論生は11月〜12月に中間発表というものがあり、そこで主査・副査に向かって修論の概要・ここまでの進捗・展望などを述べることになる。そのせいか、研究室のM2も毎日早くから遅くまで研究室にいて、とても頑張っている印象を受ける(うちの学生部屋は朝晩は助教の先生しかいないということがよくあるが、ここ数週間は朝も夜も人口密度が高い)。


修士論文を書くのに思い詰めて自殺を図るとか、そういった悲しい事件も報道されたりしたけれども、今・これから修論を書く皆さんには、そんなに思いつめる必要はないと考えて欲しい(気楽すぎても駄目なのだけど、そこはバランスを取って)。


よくブラックジョークで、「院生を殺すのには『その研究の新規性はどこにあるんですか』と質問すれば良い」などと言われたりするし、実際目を皿のようにして新規性を探している修論生というのはよくいる。しかし以前書いたように、情報学研究科 学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー(学位授与基準含む)) — 京都大学には、修士の要件として「情報学及びその関連分野における新たな成果を含むか、あるいは、情報学及びその関連分野において広い視野に立った学術的内容を含んでいると判断されること。」と書いてある。ようするに、一定の努力をして、その努力が認められれば修了はできるのである*1


修士の人に一番覚えておいて欲しいのは、研究に行き詰まりを感じたときこそ毎日研究室に来たほうが良いということ。行き詰まっているときこそ研究室に行きたくなくなるし、行ってもつらいと感じてしまうことも多いのだが、それでも毎日数時間でも研究室に行った方が良い。研究室には既に修士を取った先輩も(先生も含めて)たくさんいるし、なにより同じ目標に向いている同期がいると、自然とその方向に向かっていく。ずっと家で篭っているよりもメンタルがポジティブに向きやすいし、家で研究をしようとするよりもずっと効率的である(というか、一部の超優秀な人を除いて、家で研究できると思わない方が良い)。あと、これは結構重要だと思うのだが、毎日学校で頑張っている姿を見せることは、先生方の心証も変わってくるのである。それに、学校に来なければ先生方も助けようがない。


修士の皆さんは今が一番つらいかもしれないが、この時期があって良かったと将来思えるようになってくれれば良いと思う。

*1:後者の方が難しいのでは、という議論はあるかもしれないが